【多賀大社】参拝|病気平癒の縁起物「お多賀杓子」

多賀大社 神社
多賀大社

滋賀県多賀町にある多賀大社は、「お多賀さん」の愛称で親しまれる古社です。
主祭神は伊邪那岐命(いざなぎのみこと)と伊邪那美命(いざなみのみこと)。
日本の国生み神話に登場する二柱の神様を祀っていることから、
「延命長寿」「縁結び」「厄除け」の神様として、古くから多くの人々に信仰されてきました。

境内には歴史を感じさせる大鳥居や、豊臣秀吉ゆかりの太閤橋、趣ある本殿など、見どころがたくさん。
今回はそんな多賀大社を実際に参拝してきた記録をまとめます。
参拝を考えている方の参考にも、神社好きの方の読み物としても楽しんでもらえたら嬉しいです。


由緒・ご祭神

多賀大社の主祭神は、伊邪那岐命(いざなぎのみこと)と伊邪那美命(いざなみのみこと)。
日本神話における「国生みの神様」であり、私たちの祖先神ともいえる存在です。また天照大御神(あまてらすおおみかみ)を始め、八百万の神々を生んだ「神産みの神様」でもあります。
二柱は天の命を受けて日本の国土を形づくり、多くの神々を生み出しました。
また神様で最初の夫婦の道をはじめた存在であります。

そのため多賀大社は「生命のはじまり」を象徴する神社とされ、
古くから「延命長寿」「縁結び」「厄除け」のご利益で信仰を集めてきました。
また、伊邪那美命は火の神を産んだ際に命を落としたと伝えられていますが、その魂を慰め祀ったのも多賀大社の重要な役割とされています。

歴史的にも、多賀大社は武将たちからの篤い崇敬を受けました。
織田信長が焼失した社殿を再建し、豊臣秀吉が太閤橋を寄進、徳川家康も社殿を寄進するなど、時の権力者たちに守られてきた背景があります。
その結果、多賀大社は「多賀大明神」として全国に知られる存在となりました。

現在も「お伊勢参りをしたらお多賀さんへ」といわれるように、
2柱の親神である天照大御神を祀る伊勢神宮と並んで広く参拝される神社です。

多賀大社

境内の見どころ

お多賀杓子

多賀大社の境内は広々としていて、参拝者を優しく迎えてくれるような雰囲気に満ちています。
大鳥居をくぐると、すぐ右手に目を引く大きな杓子のモニュメント「お多賀しゃくし」があります。
これは「延命長寿」「病気平癒」を願って奉納されたもので、その迫力とユーモラスな存在感が印象的です。

これは元正天皇が病を患った時に神主が強飯(こわめし)を炊いて、シデの木で作った杓子を献上しました。すると、たちまち天皇は治癒されたことから、杓子は≪お多賀杓子≫といわれ病気平癒に霊験あらたかとして有名になりました。

※神事における強飯とは信仰する人々や地域の人に堅いご飯を食べさせ、穢れを祓い福を呼び込むための儀式といわれています。

お多賀杓子のモニュメントもインパクトがあり驚きましたが、
授与所では実際に使えるサイズのお多賀杓子もいただけます。普段から使っても問題はなく、毎日使う事で無病息災、病気平癒、健康長寿を祈ることができるとされています。
また、杓子の形状をした珍しい絵馬もいただけるため、多くの参拝者が絵馬に祈願して境内に祀ってありました。

ちなみに、カエルの子「おたまじゃくし」も形が「杓子」に似ていることが由来らしいですよ!

太閤橋と奥書院庭園

参道を進むと現れるのが、豊臣秀吉が母の病気平癒を祈願して贈り与えたと伝わる「太閤橋」と「奥書院庭園」です。太閤橋は急な反り返りを持つ石橋で、実際に渡ってみると足元が少し心もとないほど。丸太のような階段の橋なので転倒にはお気を付けください笑
奥書院庭園は本当に美しく古き良き、THE日本庭園、という感じで見ごたえがありました。

ちなみに太閤というのは豊臣秀吉の事で、地位を子に譲った事から、のちに太閤秀吉と呼ばれるようになったそうです。実際には病気平癒祈願で秀吉が贈った米、一万石で太閤橋と庭園が建築されたという方が正しいです。秀吉の母を思う気持ちが伝わるようで少し感傷的になってしまいました。

太閤橋
奥書院庭園

長寿石

本殿・拝殿は重厚感がありつつも、どこか温かみを感じる造りです。
長い歴史の中で祈りが積み重ねられてきた空気が漂い、境内は自然と心が落ち着きます。


そんな拝殿の右側には【長寿石】というものがあります。
東大寺を再建した俊乗坊重源(しゅんじょうぼうちょうげん)という人物が多賀大社を参拝して20年の寿命を授かったと言い伝えがあり、その由緒伝える石として奉ってあります。


近年でも多くの参拝者が延命を祈願しています。授与所では「祈願の白石」をいただけるため、その白い石に名前と住所を記入することで、本殿の庭に敷かれ末永く祈念してもらえます。
(長寿石付近の囲いの中に祈願の白石は多く敷かれているので、その中に入ることはできません)

寿命石

そば処 【寿命そば】

すいは個人的に、ここが最も驚きでした。
これまでは境内での飲食(水などを除く)は控えた方が良いと知って、そのようにしてきたのですが、その境内で飲食ができる施設があることが衝撃的でした。
まだ神社巡りを始めてまもなく知らなかった事が多かったので、「え、神社側から控えるよう注意書きはあるにせよ、さあこちらへと蕎麦処を設けて神社側主体で食べさせてもいいの!?」というのが率直な気持ちでした笑

ここはお多賀名物の「長寿そば」が食べられるところで、無添加にこだわった優しい出汁がとっても美味しいお蕎麦屋さんです。ここのお蕎麦を食べる事で延命長寿のご利益を授かれるといわれており、すいも初の境内飲食デビューを果たしてきました。

味は素朴で香りがとても良く、食券スタイルなのですが種類も豊富で良い体験でした。
皆様も、多賀大社に行った際には延命長寿のお蕎麦をいただいてみてください!

寿命そば
そば処

聖神社

境内には多くの末社・摂社があります。
その中でも聖神社は病気平癒にご利益があるとされているため、
参拝される際は是非、見逃さないよう探してみてください。

糸切餅

多賀大社の鳥居から道路を挟んで正面にある【多賀や】という糸切餅を売っているお店があります。その糸切餅なるものを、すいは初めて見たのですが今までで見た餅の中で一番綺麗な模様でした。まるで雲の上を走っているような虹のようなデザインで、その正体は米粉で作った白い餅の中に、こし餡が入っておりその表面に赤と青の三本線の模様が淡く描いてある和菓子になります。

こちらもお多賀名物であり、すっかり魅了されてしまったので、家族や知り合いへのお土産に即購入。とっても喜んでくれました。味もこし餡の甘みの中に微かな塩味、それに加えて米粉で作られた非常に柔らかい触感のバランスが絶妙で、食べてお土産にもできて良かったと感じました。
多くの参拝者が延命長寿の祈願を込めて参拝後に買い求める事にも頷けます。

「参拝するときによくある疑問まとめ」では皆様の不安や疑問が解決するかもしれません
糸切餅


御朱印

多賀大社の御朱印は、落ち着いた筆致で書かれる「多賀大社」の文字と、朱印のバランスがとても美しい一枚です。
大きく押された「多賀大明神」の印は迫力がありつつも品があり、参拝の証としての存在感を強く感じます。

御朱印は社務所でいただけます。受付時間は9時から16時半ごろまでが目安。
初穂料は一般的な300円で、御朱印帳を持参すればその場で記していただけます。

実際にいただいたときには、墨の香りがほのかに漂い、参拝の余韻を一層深めてくれるようでした。御朱印は単なる記録ではなく、「この日ここに参拝した」という証であり、手元に残るご縁のしるしでもあります。

「御朱印についての理解が深まる」記事も紹介しています。

アクセス・周辺情報

多賀大社は滋賀県犬上郡多賀町にあり、公共交通機関でも車でも訪れやすい立地です。

電車を利用する場合は、JR彦根駅から近江鉄道に乗り換え「多賀大社前駅」で下車。
駅からは徒歩約10分で境内に到着します。
彦根駅からはバスも運行しており、アクセスの選択肢が多いのも便利なポイントです。

車での参拝も可能で、境内周辺には参拝者用の駐車場が整備されています。休日は混雑することもありますが、台数は比較的多く、初めての方でも安心して利用できます。

また、多賀大社は彦根城からも近く、観光と組み合わせるのもおすすめ。歴史や自然を楽しみながら、滋賀の魅力を一度に味わえるスポットです。

【多賀大社の公式HP】

「手水舎の使い方」「参拝マナーの基本」についても学べます。
多賀大社境内

参拝の感想

今回初めて多賀大社を参拝してみて、まず感じたのは「空気の澄みきった心地よさ」でした。
鳥居をくぐった瞬間から境内に漂う静けさと緑の豊かさに包まれ、自然と深呼吸をしたくなるほど。まるで心と体が洗われていくような感覚を覚えました。

印象的だったのは、参道の途中にある「お多賀しゃくし」や、秀吉ゆかりの太閤橋など、見どころがとても多かったことです。歴史の重みを感じながらも、親を思う秀吉の気持ちに親しみやすさがあり、多賀大社ならではの魅力を感じました。

参拝を終えて御朱印をいただいたあと、境内のお蕎麦屋さんで「寿命そば」をいただきました。
素朴でありながら力強さを感じる味わいで、心も体も温まるような時間でした。神社でこうして食事をいただける体験は珍しく、忘れられない思い出になりました。

多賀大社は、観光というよりも「祈りの時間を大切にできる場所」だと感じます。
参拝を終えるころには気持ちが不思議と軽くなり、また頑張ろうという前向きな気持ちをいただけました。

そして、何より印象的だったのは境内全体の自然の豊かさ。澄んだ空気と緑に囲まれていると、つい深呼吸したくなり、心身ともにリラックスできる時間を過ごせました。

「すいの神社巡りがきっかけとなった本当の理由」もお恥ずかしいですが、
知ってくれると少し嬉しい気持ちになります。

まとめ

「お多賀さん」と親しまれる多賀大社は、歴史の深さと温かさをあわせ持つ特別な神社でした。
伊邪那岐命・伊邪那美命を祀る由緒ある大社として、病気平癒や延命長寿、縁結びのご利益を求め、多くの参拝者が足を運びます。

境内の見どころや寿命そばなど、参拝と一緒に楽しめる要素も豊富で、参拝そのものが心に残る体験となりました。
滋賀を訪れる際には、ぜひ多賀大社で静かなひとときを過ごしてみてください。
きっと心が整い、前向きな気持ちをいただけるはずです。




※本記事は筆者の参拝体験や一般的な伝承に基づくものであり、医療的助言・診断を目的としたものではありません。

御朱印と病気平癒|神社めぐり記
全国の病気平癒の神社を巡るリハビリ記録 byすい
すい

病気平癒を願い、全国の神社を巡る医療職ブロガー「すい」です。
参拝のマナーや御朱印、神社の魅力を紹介しながら、持病と向き合い
リハビリを続けています。神様に癒やされる旅を、あなたと共有したい。

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